タイガーラック クリエイティブブログ
2026
January
29

非エンジニアの方との会話で起きがちな認識ズレ―― 同じ言葉を使っているのに違う話をしている瞬間

業務の中で、非エンジニアの方とITの話をしていると、
会話自体は成立しているのに、
後から「話が噛み合っていなかった」と気づくことがあります。

多くの場合、原因は専門知識の差ではありません。

同じ言葉を使いながら、頭の中で想像しているものが違うことにあります。

実際には、人や状況によって少しずつズレ方が変わる場合も多くありますが、

ここでは、そうした認識ズレが起きやすい言葉をいくつか紹介します。

仕様

会話の表面

  • 「この仕様、こうしたいんです」
  • 「仕様通りにお願いします」

起きている認識ズレ

  • 非エンジニアの方の「仕様」
    こうなってほしい状態・完成イメージ
  • エンジニア側の「仕様」
    すでに決まっている振る舞いの定義

どちらも間違っているわけではありませんが、
このズレを放置すると
「もう決まっている話」なのか
「これから決める話」なのかが曖昧なまま進んでしまいます。

バグ

会話の表面

  • 「これ、バグじゃないですか?」
  • 「前と動きが違います」

起きている認識ズレ

  • 非エンジニアの方
    期待していた動きと違う
  • エンジニア側
    決められた動作を満たしていない

結果として、
「直すべき問題」なのか
「認識を揃えるべき問題」なのかが混ざったまま話が進みます。

システムに関する質問に対する「仕様通りです」という回答も、
エンジニア側としては「意図的な挙動です」という意味で使いますが、
直す気はありません」というニュアンスだと受け取られることもあるので注意です。

確認しました

会話の表面

  • 「一通り確認しました」
  • 「確認したので大丈夫です」

起きている認識ズレ

  • 非エンジニアの方
    想定した操作を試した
  • エンジニア側
    条件や例外も含めて見た

確認という言葉が、「何をどこまで見たのか」を内包したまま使われるため、
同じ「確認済み」でも中身がまったく違うことがあります。

ちょっとした修正

会話の表面

  • 「文言を少し変えるだけです」
  • 「見た目はほとんど変わらないちょっとした修正なので」

起きている認識ズレ

  • 非エンジニアの方
    画面上の変化が小さい
  • エンジニア側
    影響範囲がどこまで及ぶか
    前提条件が複雑ではないか
    テストパターンが多いのではないか

「少し」という言葉が、見た目の話なのか、作業量の話なのかが曖昧なまま使われます。

できる

会話の表面

  • 「それ、できますよね?」
  • 「できるならお願いします」

起きている認識ズレ

  • 非エンジニアの方
    現実的にすぐ対応できるか
  • エンジニア側
    技術的に実現可能か

どちらも「できる」ですが、
時間・優先度・作業量という前提が共有されていないまま、話が次の段階に進みがちです。

前と同じ

会話の表面

  • 「前と同じ対応でお願いします」
  • 「前回もこれでいけました」

起きている認識ズレ

  • 非エンジニアの方
    結果や見た目が同じ
  • エンジニア側
    条件・前提・内部処理が同じ

「同じ」が何を指しているのかが共有されないまま、安心材料として使われてしまう言葉です。

対応します

会話の表面

  • 「これから対応します」

実際にズレている点

  • 非エンジニアの方
    完了まで含めて引き受けた
  • エンジニア側
    調査・検討を始める

「対応」という言葉が着手なのか、完了なのかを曖昧にしたまま使われやすい代表例です。

難しい

会話の表面

  • 「対応するのは難しいです」

起きている認識ズレ

  • 非エンジニアの方
    技術的にやや手間がかかりそう
  • エンジニア側
    工数・影響・リスクを含めると現実的ではない

「難しい」という言葉が、努力の話なのか、現実性の話なのかが共有されないまま使われます。

例外

会話の表面

  • 「例外的なケースです」

起きている認識ズレ

  • 非エンジニアの方
    めったに発生しない特殊ケース
  • エンジニア側
    条件次第で普通に起きる

「例外」が頻度の話なのか、条件分岐の話なのかで認識がズレます。

影響調査

会話の表面

  • 「影響調査だけお願いできますか?」
  • 「先に調査だけしてもらえれば」

起きている認識ズレ

  • 非エンジニアの方
    簡単な確認作業
  • エンジニア側
    実装・運用などを考慮した作業そのもの

「調査」という言葉が、確認なのか 作業なのかを曖昧にします。

想定内

会話の表面

  • 「想定内の動作です」
  • 「想定していた動きです」

起きている認識ズレ

  • 非エンジニアの方
    問題がない、気にしなくてよい
  • エンジニア側
    起きる可能性は把握していた

「想定内」は許容しているという意味ではない場合があります。

認識ズレは、誰かのミスではない

これらのズレは、会話の適当さや理解力が低いことで起きるものではありません。

  • お互い善意
  • お互い忙しい
  • お互い悪気はない

という状況で、一番起きやすいタイプのトラブルです。

立場や役割が違えば、同じ言葉に自然と別の意味が乗ります。

だからこそ、

  • 「その言葉、どの意味で使っていますか?」
  • 「今の話はイメージの話ですか?確定の話ですか?」

と一度立ち止まるだけで、後工程のズレをかなり減らすことができます。

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