タイガーラック クリエイティブブログ
2024
October
17

ついにイラレにもAIが!超画期的な「ベクター生成AI」がどこまで優秀か試してみた!

最近突如実装され、世のデザイナーを騒然とさせている
話題の「ベクター生成AI」。

イラレといえばあの面倒なベジェ曲線による描画を使いこなすのが一苦労…
パスやアンカーをいじって描くという独特の手法がなかなか手につかず、そのせいでイラレはちょっと苦手…という人も多いでしょう。

そんな常識を一蹴する画期的な新機能が「ベクター生成AI」です。

簡単に言えば「テキスト入力だけでAIがパスでイラストを描いてくれる」という夢のような便利機能です。
ベクター形式によるベジェ曲線のデータだから、自由にカラーを変えたり、拡大縮小も全く自由自在!
今回はそんな新機能の使い方と、それを使っていろいろ試した結果をご紹介しましょう!

基本的な操作方法

操作は実に簡単。
「プロパティ」ウィンドウ内の「プロンプト」内に、書いてほしい【お題】をテキスト入力して「生成」ボタンをクリックするだけ。
(しかもテキストは日本語対応!)

あとは数秒後にはAIさんが考えたイラストを3パターンずつ提案しくれるので、イメージに合うものを選択するだけ。

もしその3つの中にいいものがなくても、再度「生成」をクリックすると新たな3つを提案してくてます!

加えて、下の画像のように翼などのアイテムを付与したり、模様やカラーを指定したり、結構細かい要望にも応えてくれます。

背景も欲しい場合は「シーン」を、アイコンとして使いたい場合は「被写体」「アイコン」を選び、用途に応じてイメージに近いイラストが作れます。

極論、テキストが打てさえすれば誰でもだいたいのイラストが描けるので
もう厄介なアンカーパス操作を練習する必要も、必死にフリー素材サイトで探しまわる必要も
AI生成だから著作権を気にすることもなくなります!

これを描いてみよ!生成AIがどこまで優秀か試してみた!

この機能、実はイラスト屋さんでもある私にとってはとてもありがたい機能でもあります!


そんな私にとって…一番気になるのは


「AIがどこまで欲しいイラストを再現できるのか?」


要はAIイラストの腕前はどんなもんか?
どこまでの要望に応えてくれるのか?

それを確かめるべく今回、AIさんにいろいろとお題を出して描いてもらいました!

実験①動物

まずはベタに動物から描いてもらいましょう。
シンプルに【動物名】だけを入力して生成してもらったのがコチラ

これはかなり精度が高い!リアルですね~
さらに犬なんかは「ブルドッグ」等の犬種にまで対応してるみたいです。
今後、動物イラストに困る事はなさそうですね。


次はこれらをかわいいキャラ風にアレンジしてもらいましょう
【かわいい(動物名)のマスコットキャラクター】と入力してみました!

これもいいですね!
SNSアイコンなんかにも使えそうです!


ちなみに、来年の干支である「龍」も描いてもらいました。
上手くいけばオリジナルの年賀状も楽に作れそう!


結果は…

おーカッコいい!
…でも龍は龍でもやや西洋の「ドラゴン」よりな感じ。
一応「和風の龍」「墨で描いた龍」「青龍」などで試してみても似たような結果でした。
個人的には嫌いじゃないんですが…残念ながら年賀状にはちょっと不向きかもしれません。


実験②人物

いろいろなパターンの人物・職業・ポーズを試してみました。

顔やバストアップはよくできていますが、特に人体のポーズに関しては動物系よりは劣るみたいです。


アスリートのイラストも試してみました。

やはり人物やポーズはやや苦手なようで若干精度は落ちるものの、ちゃんと動きもついてわかりやすいイラストになってますね。
(なぜか女性と黒人が多めですが…笑)


ちなみにお題は「〇〇選手」としないと、「サッカー」「野球」といった競技名だけでは
ボールなどの道具のイラストになってしまいました。

また「世界的に有名な人物であれば名前を入れると似顔絵描いてくれるのでは…?」と
わくわくしながら、誰もが知る大スター【大谷翔平】の名前を入れてみたら…


見事にエラーになりました笑


さすがに特定の人物は無理なようで、しっかりポリシーにも記載がありました。
もちろん、差別的・性的なワードもアウトなようです。


オマケに、同じ実在の人物でも歴史上の人物ならどうか?と「ナポレオン」や「坂本龍馬」等を入れてみたところ


謎のアンティークなアイコンが出るだけでした。
やはり固有名詞は全面的に難しそうです。


実験③無機物

乗り物や建造物といった無機物も試してみました。

車やバイクの乗り物は細かくてかなりいい感じです!
車も「バス」や「トラック」はいけるんですが「ベンツ」「フェラーリ」といった車種までは対応してませんでした。

建物も「スカイツリー」「大阪城」といった実在の建物はさすがに無理なようです。

ただ、「シーン」選択し、有名な地名であれば実在の風景の描画は可能でした。


実験③既存のキャラクター

個人的に一番興味があったのがこの実験です。


日本が誇る世界的に有名なキャラクターを片っ端から試してみました。
これも権利的にエラーかな?と思いきや、意外や意外、
「ぽいキャラクター」になってしまいました。


その一部をご紹介します。

「ウルトラマン」

なんとなくわからなくはないですが…本物よりかっこよくなりました。


「ドラえもん」

AIにとっては猫ではなくたぬきという認識なんですかね?


「トトロ」

色合いとシルエットは近いけど…


「モンキー・D・ルフィ」

海賊王になる男も、名前のニュアンスから予想どおり猿になりました。

ちなみに「ルフィ」だけだと何故か犬に…笑


「ピカチュウ」

これに関しては謎のアイコンになってしまいました…


いかがでしょう?
個人的にこのテストはいろいろと試していこうと思います。

ただこの新機能とっても便利ではあるんですが、
生成までにそれなりに時間がかかったりとまだまだ課題は多そうです…

加えて、便利な反面、世のデザイナーや素材屋さん泣かせでもあると思います。
便利だからと頼り過ぎず、
あくまで制作の中でのサポートとして、程よい距離感を保ちながら効率よく利用していく必要がありそうですね。

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