VBAとVB.NETの大きな違いとは?:似て非なる二つのVisual Basic
Visual Basicという名前を聞いて、あなたはどちらを思い浮かべますか?
- ExcelなどのOffice製品でおなじみの「VBA」?
- NETアプリケーション開発に使われる「VB.NET」?
「似たようなものだから、片方ができたら、もう片方もできるだろう」
――本当にそうでしょうか?
今回は、VBAとVB.NETの違いについて解説します。
目次
そもそもVBAとVB.NETって何?
VBA(Visual Basic for Applications)
Microsoft Office製品に組み込まれているマクロ言語です。
Excel、Access、Wordなどで業務の自動化やツール作成に活用されています。
- Officeに組み込み済みで、すぐ使える
- Excel(Office製品)の操作を自動化できる
- 単純な構文で習得が容易
VB.NET(Visual Basic .NET)
Microsoftの.NET Framework上で動作するプログラミング言語です。
デスクトップアプリ、Webアプリ、API開発など、より大規模で柔軟な開発に対応しています。
- Visual Studioで開発
- オブジェクト指向を完全サポート
- コンパイル型のアプリケーションを作成可能
主な違いまとめ(ざっくり比較)
比較項目 | VBA | VB.NET |
利用シーン | Officeの自動化 | アプリケーション開発全般 |
開発環境 | OfficeのVBAエディタ | Visual Studioなど |
配布方法 | Excelファイルなどに内包 | EXE、DLLとして配布可能 |
機能拡張性 | Office内の操作に特化 | 外部ライブラリ、APIとの連携が柔軟 |
なぜ混同されやすいのか?
一番の理由は、文法がとてもよく似ていることです。
たとえば、次のコード。パッと見ただけでは、どちらがどちらか区別できない人も多いはずです。
If score >= 60 Then
MsgBox "合格"
End If
If score >= 60 Then
MessageBox.Show("合格")
End If
中には、「そもそも違いってあったの……?」と驚く方もいるかもしれませんが、
変数の宣言・条件分岐・ループ処理など、基本的な構文はほぼ共通しています。
そのため、VBA経験者がVB.NETのコードを見ても、「あ、知ってるやつだ」と感じてしまいやすいのです。
ですが──
「ここまで似ているなら、覚えることも少なそうだし、一緒と考えていいんじゃないの?」
……と思うのは、まだ早いんです。
VBAにはない!VB.NETの便利機能いろいろ
実際に両方使ってみると、
「VBAってこれができないの!?」
「VB.NETだとこれができたの!?」
と驚かされる便利機能がたくさんあります。
例:リストに値が含まれているかチェックしたい
VBAの場合▼
Dim fruits As Variant
fruits = Array("apple", "banana", "orange")
Dim i As Long, found As Boolean
found = False
For i = LBound(fruits) To UBound(fruits)
If fruits(i) = "banana" Then
found = True
Exit For
End If
Next i
If found Then MsgBox "ある"
VB.NETなら、たったのこれだけ▼
Dim fruits = New List(Of String) From {"apple", "banana", "orange"}
If fruits.Contains("banana") Then
MessageBox.Show("ある")
End If
上記の通り、文法は同じでも実装したい処理に対するコードのアプローチは大きく異なります。
次は、文法や機能の違いだけでなく、「どうやって作っていくか」という開発スタイルに着目してみます。
プロジェクトとソリューション:開発スタイルの違い
VBAは「ひとつのOfficeファイルにコードがくっついている」スタイルです。
一方、VB.NETは「プロジェクト」や「ソリューション」といった開発単位の構造を持っているのが特徴です。
VBA
- ファイル内に直接モジュール・フォーム・関数を記述
- ファイル単位で完結する
- チーム開発にはあまり向かない
VB.NET
- プロジェクト:アプリケーションやライブラリなど、ひとつの開発単位
- ソリューション:複数のプロジェクトをまとめる入れ物(例:UIとAPI、ライブラリなどが1セット)
Visual Studioではこの構造が前提となっており、ビルドや依存関係の管理、チーム開発に適しています。
つまり――
- 見た目は似ている
- 名前も似ている(Visual Basic)
それなのに「使い勝手もスケールも全然違う」
そのギャップこそが、混乱の元になっているのです。
では、実際にどちらを使えばいいのでしょうか?
次は、「どちらを学ぶべきか迷っている人」向けに、使い分けの考え方をご紹介します。
Visual Basicの「分かれ道」
もし今、どちらで開発すべきか迷っているなら、目的から逆算して考えてみましょう。
業務の自動化や、既存のファイルを活かしたツールを作りたい!
VBAが最適
→ 社内業務を効率化したい、部署内で簡単に配布・運用したい、といったケースに向いています。
スタンドアロンのアプリケーションや、Web・APIなど拡張性のあるシステムを構築したい!
VB.NETが最適
→ より高度なUI設計、外部サービスとの連携、大規模な開発に適しています。
どちらも触ってみることで、「向き・不向き」が見えてくるのですが、
それよりも、どんなものを作るのか?、誰に使ってもらうのか?
その視点で選ぶと、自然とどちらが適しているか見えてくるはずです。
まとめ
名前は似ているけど、用途も環境もまったく別物!
- VBAはOffice専用の簡易マクロ言語
- VB.NETは.NETで動く本格的な開発言語
VBAからVB.NETへステップアップするのもアリ!
最後に
VBAにもVB.NETにも、それぞれに強みと活躍の場があります。
大切なのは、「自分が何を作りたいのか」。
目的に合った言語を選ぶことで、開発はもっと楽しく、もっと効率的になります!
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